Japan
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水泳帽とスクール水着(男子用はボックス型、女子用は新タイプ(パイピング型準競泳タイプ))

スクール水着(スクールみずぎ)とは、日本小学校から高等学校までの体育教育における水泳用に使われている水泳着(水着)を指す通称である。一部(サブカルチャー等)では「スク水」(スクみず・スクすい)と略されることもある。

全般[]

1950年代までは男子の水着はふんどし、女子は水衣、又は非伸縮型水着が主流だったが1960年代以降は繊織・縫製技術の向上や洋風化の進展、生活水準の向上により洋式の水着が普及し、ふんどし・水衣は極一部を除いて姿を消した。

競泳用水着と比較するとやや活動性に欠ける仕立てである。

色は紺や黒が多く、青や水色・緑・赤、あるいはえんじなどを採用し学年色・学校色としている例も多い。1980年代初頭ごろまでは白地に学年色をストライプに配色した派手なデザインも一部でみられたが、一般的には全体を単色としたり、縁取り・ライン・切り返しなどをシンプルに配しただけの地味なデザインとしているのがほとんどである。地域によっては水中での事故防止・安全確保を目的として教育側の要請により水中ではっきりと目立つ色(オレンジ色、等)が取り入れられ[7]、漁場などが近場にある場合は漁業共同組合からの要請により、目立つ色となるケースがあった。

材質はほとんどがナイロンポリエステルポリウレタンなどの化学繊維である。全国のほとんどの初等・中等教育機関において、類似品が指定品として用いられている。日本のみならず東アジアでは共通のものといわれる。

毎年5月中旬頃になると大型スーパーや衣料品店、ベビー用品店、等で、概ね1000円前後(ノーブランド・中国製)で店頭に並ぶ(スポーツ用品店には出回らない場合が多い)。7月中旬以降は安売りされる場合が多い。

種類[]

素材は概ねジャージ型(ポリウレタン不使用・厚手・低伸縮)とストレッチ型(ポリウレタン使用・薄手・高伸縮)の2通りがある。

尚、ストレッチ型は塩素系消毒剤・漂白剤に弱く、又、皮脂や油性の日焼け止めにも弱いので注意が必要である。

女子用の水着[]

大部分がワンピース型であり、女子生徒用の水着は近年モデルチェンジが進み、旧旧・旧・新・セパレート・競泳・スパッツ・フリル付き型の7タイプに大別できる。

旧旧タイプ[]

  • スカート(チュニック・タンクトップ)状の上半身部とブルマー状の下半身部が分離している、旧タイプの登場以前(東京オリンピックの頃)に存在していたタイプ(1.5ピース型)。外見上の大きな違いはスカートが全周に存在するところ。「旧タイプ」という名称が一般化してから話題に上った、より古い型ということで「旧旧タイプ」と呼称されることが多い。
  • 内部構造は「旧タイプ」とは全く異なり、上半身部は脇の下あたりまでめくり上げることが可能である。ただし上半身部内側に全周にわたりメッシュ状の裏布が配され、その裏布に下半身部上端が縫い合わされているため上半身部をめくり上げても肌が露出することはなく、また下半身部のみを脱ぐ事は出来ない。この仕立て方は現在の女児用遊泳水着(チュニック型、80~120cm、店によっては130~160cmも有)、及びフリル付きタイプに引き継がれてる。
  • 背面の形状はクローズバックでU字(タンクスーツ)形となる。
  • ボトムラインは旧タイプよりもゆるやかなローレグである。
  • 素材としてナイロンあるいはポリエステルを100%使用している物(ジャージと同様)が多いため伸縮性に乏しい。
  • 縦の縫い目の数は3(脇2背1)・2(脇2背0)の2通りがある(プリンセスラインは無し)。
  • 後述のサブカルチャーにおける作品中で描かれることが多いタイプではあるが、命名の経緯からも分かるように、ほとんどの人は認識すらしていないタイプなので、旧タイプのデザインを誤認して描いている場合が大半であると思われる。

旧タイプ[]

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女子用の水着 旧タイプ

  • 股間部の布が下腹部と一体ではなく分割されており、後身頃から臍のあたりまで伸びる股間部の布が下腹部の裏側で重ねられて前寄りの脇縫い(プリンセスライン)で筒状に縫い合わせてある。前から見るとスカートのように見えるため、スカート型あるいはダブルフロントと呼称される(水抜き・前垂れ、とも呼ばれる)。また、古くから存在するタイプのため「旧型スクール水着」と呼称され、それを略して「旧スク」と呼ぶ例も多い。
  • その独特の形状はもちろん機能上の要求から来たものだが、その理由には「伸縮性の乏しい布地でも運動時や身長の伸びに応じてある程度伸縮を許容させるため」あるいは「胸元から入る水流を股間部で逃がすため」など諸説がある。
  • 背面はクローズバックで多くは形状がU字(タンクスーツ)型となっている。極希にY字(レーサーバック)形も有る。
  • 股間部の布を下腹部ではなく、両サイドの腰部分で接合したモデルも少数存在する。
  • 素材としてナイロンあるいはポリエステルを100%使用している物(ジャージと同様)が多いため伸縮性に乏しく、生地の編み方で伸縮性を持たせるために分厚い生地になることが多い。ただし、1980年代まではワイシャツのようにとても薄く、伸縮性もほとんどない生地を使用したモデルも少数存在していた。
  • 縦の縫い目の数は5(脇4背1)・4(脇4背0)の2通りがある。この内、前寄りの脇縫いは「プリンセスライン」とも呼ばれ、女性の体形に合わせた立体裁断・縫製の名残である。
  • 現在に於いても制式として採用する学校があるものの減少傾向ではある。販売店もダイエーサンキ・イズミヤ・ミスターマックス等少数に留まる。

新タイプ[]

  • 現在主流のタイプ。一般的にはワンピース型と呼ばれ、基本的に1980年代前半頃のワンピース水着(フィットネス用)のデザインを踏襲しており、背中の開きが広くない製品が多い。ボディスーツレオタードにも類似する。
  • ボトム形状は一般的なワンピース水着と同様、前部の布と後部の布が底部で縫い合わされた構造となっており、股間部が分割されない。
  • 下半身部の形状は競泳タイプにある程度類似(ローレグ~若干ハイレグ)。
  • 背面の形状はクローズバックでU字(タンクスーツ)形だけでなく、V・Y字(レーサーバック)形やパイピング(キャミソール)型を採用した製品も多い。
  • 競泳タイプに比べ伸縮性が乏しく旧タイプとあまり変わらない素材(ジャージ素材、等)を使用し、競泳タイプよりゴワゴワするものも多い。
  • 縦横共に伸縮性に富み比較的光沢が有る素材(ストレッチ素材)の場合が多い。
  • 縦の縫い目の数は5(脇4背1)・4(脇4背0)・3(脇2背1)・2(脇2背0)の4通りがある。
  • これにミニスカート(チュチュ・スコート)状の布を縫い付けたタイプも最近出回り始めた。
  • 現在では、これを制式として採用する学校の方が多い。
更に細かい分類[]

新タイプは、更に、以下の様に分類できる

  1. ボトム形状の変更以外は素材・仕立て方・共に旧タイプと同じ(初期型)
  2. 1.と同様だがYバック(レーサーバック)のもの(初期型準競泳タイプ)
  3. 1.と仕立て方は同じだが素材を光沢があり肌触りが良い高伸縮性のものに変更(初期高伸縮型)
  4. 3.と同様だがYバック(レーサーバック)のもの(初期高伸縮型準競泳タイプ)
  5. 3.と同様だがプリンセスラインが無いもの(フィットネス用ワンピース水着と同じタイプ)(中期型)ここまでは「中間型」と呼ばれる場合有り
  6. 5.と同様だがYバック(レーサーバック)のもの(中期型準競泳タイプ)
  7. 5.と同様だが白のパイピングの縁取りが有り、肩紐が、その延長のもの(正面はキャミソール型・背面はUバック)(パイピング型)
  8. 7.と同様だがVバックのもの(arena ARN-75、及び模倣品・パイピング型準競泳タイプ)・背縫いが入る場合が多い

セパレートタイプ[]

  • タンクトップ状の上半身部とトランクス(海水パンツ)・スパッツ型の下半身部が別々となる。
  • 縦横共に伸縮性に富み比較的光沢が有る素材(ストレッチ素材)の場合が多い。
  • 多くは背面の形状がクローズバックでU字(タンクスーツ)型となっている。
  • このタイプも最近多く出回る。

競泳タイプ[]

  • 基本的に1990年代前半頃の競泳競技水着のデザインを踏襲しており、素材や配色は同一でボトムラインがややハイレグハイレグで、オープンバック(フライバック、O・Xバック)の様に背中が大胆に開く。
  • 単色のものは正面から見ると新タイプと区別が付きにくい。
  • 紺や黒に限らず、色々な色を使用し、カラフルな場合もある。
  • やや派手な競泳練習水着そのものに学校のロゴを入れたりオリジナルデザインにするなどして、スクール水着として使用することもある。その場合、ベースによってはボトムラインがハイレグ寄りとなる。台湾では比較的強いハイレグカットを導入した例もあるようである。
  • 縦横共に伸縮性に富み比較的光沢が有る素材(ストレッチ素材)の場合が多い。
  • 小中学校より高校で採用の場合が多く、又、スイミングスクールで採用される場合も多い。
  • スーパー等にはまず出回らない。スイミングスクールオリジナルのものは部外者は入手がほとんど不可能である。

スパッツタイプ[]

  • 近年になって登場した、ボトムラインをスパッツ状とし太腿を半ばまで覆う形状としたタイプ。近年の競泳競技水着に類似。「ユニタード水着」と呼称される場合もある。トップとボトムを分割しセパレーツとしたり、トップに半袖を追加したタイプも登場している。
  • 背面はクローズバックとオープンバックの両方がある。
  • 縦横共に伸縮性に富み比較的光沢が有る素材(ストレッチ素材)の場合が多い。
  • このタイプは一部の中学校・高校で採用の場合がある一方でスーパー等には滅多に出回らない(ダイエーに有り)。

フリル付きタイプ[]

  • 「おしゃれスクール水着」とも称する。女児用遊泳水着(チュニック型・1.5ピース型)を紺又は黒一色にした様な感じの水着。あるいは旧旧タイプのスカート部を延長し、フリルを追加したタイプ、とも考えられる。
  • 極めて珍しいタイプで滅多に出回らない(通信販売に多く有り)。

男子用の水着[]

大部分がトランクス型(ボックス型とも呼ばれる)とビキニないしはブリーフ型の2種類である。男子用のものは「海水パンツ(海パン)」と呼ばれる場合が圧倒的に多く、「スク水」と呼ばれることはまずない。

ボックス・スパッツ型[]

  • 素材としてナイロンやポリエステルなどを使用していることが多い(arena ARN-73等)。
  • 伸縮性に乏しい素材を使用しているものと一般の競泳用水着と同様に伸縮性の強いものの両方があり、どちらも同じぐらい存在する。
  • 近年、裾の長めの物が発売されている(arena ARN-77等)。

ビキニ・ブリーフ型[]

  • ボックス型に比べるとやや伸縮の良いポリウレタン混紡素材を使用していることが多い(arena ARN-70等)。
  • 一般的な競泳水着にロゴを入れるなどして使用することもある。
  • スイミングスクールで採用の場合が多い。

トランクス型[]

  • 近年登場した、短パンとほとんど同じ形をした水着。他の水着と違い、肌に密着せず、中にサポーターが縫いつけられている。裾にも余裕があるのが特徴。
  • 素材としては綿が多い。

下着・サポーター・他[]

  • 第一次性徴期の男女は身につけないことが多い。スクール水着の多くは裏布(股布・胸当て裏布)が縫いつけられており、それが下着代わりになっている。裏布の色は白、あるいはベージュとなっていることが多いが、水色や本体と同色としたモデルも一部で存在する。女子用の場合、上下で裏布の色が異なっている場合もある。この場合、多くはどちらか一方が本体と同色となっている。
  • 第二次性徴期以降は男女ともスクール水着の下にスイムサポーター・スイムガードルを着用する。色は白・ベージュ・黒などである。
  • 第二次性徴期以降の女子は胸ポチ対策で胸パッド(スイムカップ)を取り付けることも多い。ひも付きパッドを縫い付けて水着内側に吊り下げるか、ひものない差し込み式パッドを胸当て裏布に直接縫い付けるという取り付け方がよく見られる。
    • 近年ではフック式パッドをつり下げるためのパッドループや、胸当て裏布に差し込み式パッド用のパッドポケットを標準装備するスクール水着も多くなっている。その場合には縫い付けず、自由にパッドが着脱可能である。パッドポケット付きスクール水着の場合、付属品としてパッドが同梱されている製品も多い(通常140cm以上)。
    • パッドを固定式で標準装備するスクール水着も存在する。パッドが胸当て裏布と一体構造となっているものが多く、パッドを取り外すことはできない。なかにはファッション水着やボディスーツのようにパッド周囲にシェイプアップ用のパワーネットを配しているものまで見られる。パッドと胸当て裏布はベージュの同色としたものが多い。
  • 現在に於いても男子の水着が六尺褌となる学校が極少数ある(小学校では4年生以上)。共学校で男子が六尺褌となる場合、女子はスクール水着の上に腰ひも(男子の褌と同材質の場合が多い)を締める場合がある(特に臨海学校)(男子が海水パンツの場合も同様の場合有り)。これは水衣の上に締めた腰ひもの名残であり、又、男子のふんどしの横みつと同様、溺れたときに救助しやすくする、日本泳法の横泳ぎを教えやすくする、という機能もある。[1]

水泳帽[]

学校の水泳授業では必ず水泳帽が用いられる。衛生面のほか、髪の毛による循環濾過式プールのフィルター目詰まりを防止するのが主な理由だが、学年や泳力を区別するための目印として色分けされたものを着用する場合も多い。

現在はシリコーンゴムポリウレタンナイロンメッシュ素材のような実用的なものが中心であるが、1980年頃まではナイロンタフタやナイロンサテン素材が主流で、頭の上に乗せるだけのデザインである男子の水泳帽とは対照的に女子の水泳帽はあご紐付きの、被ると耳の隠れるフード型で、男子に比べ長く伸ばす傾向のある頭髪を中に収められるように頭部をすっかり覆うものであった。このタイプの水泳帽は戦前から用いられていたが、現在では全く見かけなくなった。これはシリコンゴムやメッシュ素材のようなシンプルなものに比べ、裏地(ナイロンメッシュや、半透明ビニール素材)があり、また、帽子の周囲にゴムを通してあるので製造工程も複雑で、大量生産が難しくなったのと、価格の安いシンプルな物、競泳タイプのものなどが相次いで登場し、このタイプの学校での需要が減ったためである。

着替え方[]

着替え時に服を全部脱いでになることから、中学年くらいから性的羞恥心に配慮して男女別室で教室もしくは専用の更衣室など使用するなど学校によってさまざま。他人に局所(女子の着替えは胸も)を見せるのを防ぐ目的でラップタオル(巻きタオル)を使用する場合が多く、学校側から勧められるケースもある。男子はタオルの大きさに応じて首〜腰で巻き、局所を隠した上で着替える。女子は首に巻き、から局所までを隠した上で着替える。

水泳の授業が午前中にある場合は、服の下に水着を着用して登校する人があるが(着替え用のパンツを忘れるハプニングもある)、これを禁止している学校もあれば、水泳授業の時間確保から水泳前の着替え時間を省略できる(服を脱ぐ時間だけでよい)ので導入している学校もある。

サブカルチャー[]

雑誌等[]

女子生徒用のスクール水着はブルマー同様、サブカルチャー系・萌え系のメディアでしばしば取り上げられる。中でも代表的といえるのがブルセラ系雑誌の「Cream」(ワイレア出版)で、10年以上の歴史がある。また同種に「ホイップ」(コアマガジン)や過去には「ラッキークレープ」(バウハウス)もあり、これらの「制服・ブルマー・スクール水着」を主記事とする雑誌はタイトルを総称し「お菓子系」と呼ばれる。

近年、成人向け雑誌の中にはランジェリーブルマーや女性用水着等を付録に付ける物が登場しており、スクール水着(風のコスプレ衣装?)を付ける物もある。

同人誌等[]

同人誌・同人サイト・等の美少女イラストに於いては「旧タイプ」の人気が高い。

漫画やゲームでキャラクターが着用することもあるほか、コスプレアダルトゲームの題材として取り上げられることもある。

また、なかなかサブ系メディアになるほどメジャーではないものの、一部では男子生徒用のスクール水着も他の水着にない独特のデザインから趣味の対象としている人がある程度いる。そのためサブ系メディアなどにあまり載らない分、一部のファンサイトなどで男子用のスクール水着の内容を専門に扱うところが近年増加している。

コスプレ衣装[]

水泳用ではなく、コスプレ衣装用として発売される商品には股間部にファスナーが付く商品もある。

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テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 褌ものがたり(越中文俊心交社ISBN 978-4883025220)P10
    [1][2][3][4][5][6]海水パンツ+腰ひも

参考文献[]

  • スク水だいすき!(ポストメディア編集部、一迅社、ISBN 978-4758011761)
  • すいむすーつ大百科(SS大百科製作委員会、メディア・テック出版(倒産)、ISBN 978-4896273571)

関連項目[]

外部リンク[]

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